「次はロングのナイト練にしよう」

前回の蚊取り線香塾の後に、誰かが言い出した。

時期はUTMF/STY前がいい。タイミング的には4月の一週目。中国在住の蚊取り線香さんの帰国予定も決まり、その後は詳細を蚊取り線香さんとkyowさんと詰める日々。

コースの設定、何人くらいの参加があるのか。そして2月の大雪の影響。奥多摩の状況がわからず、コースチェックに行き自分で確認した。開催は可能だが、残雪は残る。山の危険性を考慮して、残雪が多い三頭山は巻き、参加者には山岳保険加入と軽アイゼンを必須条件とした。そしてイベント保険にも加入。

長時間の行動になるので、都民の森で簡易エイドを用意しよう。何が必要か。ドリンク、食べ物、薬類やタオル、毛布。リタイアする方をピックアップするために、サポートの車もないと困る。ぼくの車は小さいので、レンタカーを借りよう。コース上、車で取り付き可能な場所を確認する。

スタッフは？ロングのナイト練と考えると、3人ではどう考えても足りない。経験があり、信頼できるラン友に声をかける。まみさんと金ちゃん、そして蚊取り線香さんをよく知る新子さんが参加してくれることになった。さらに山岳経験の高い蚊取り線香さんの仲間である曽根さん、箸方ご夫妻も。

なんとも家内制手工業だけど、出来る範囲の準備を心がけた。

申込みは50名近く。前回の蚊取り線香塾の参加率はは7割だったのだが、平日開催ということを考慮して6割程度の参加を想定していた。しかし蓋をあけてみれば事前キャンセルが2割、当日キャンセルはなく（！）、40名ものトレイルランナーにご参加いただいた。静岡、山梨、そして大阪からも。本当にありがとうございます。

予想外の参加率の高さと、ぼくの経験不足で参加者のみなさまにご迷惑をおかけする場面もありましたが、一度スタートしてしまえば後方サポートのぼくは安全を祈るばかり。幸い雨予報は前倒しになり、天候は悪くない（「雨は降らない」と蚊取り線香さんが天気図を見て予想していた！）。しかし風は強く、山の上は相当寒いだろう。体調を崩されないとよいのだが。

要所要所でkyowさんから連絡をもらう。とりあえずは順調そうで、夜が明けてぼくは都民の森に移動して、簡易エイドの準備。ロードをみんなが下ってきた時は本当にうれしかった！

42kはここで終わり、75kはまた出発していく。42kと行ってもハセツネ逆回りは登り基調の厳しいルート。みなさま、おつかれさまでした。

待っている間に山に登ってみて、あらためて奥多摩はいい場所だと感じた。トレイルラン、トレッキング、自転車、釣り、自然と共有してたくさんの方が遊んでいる。大嫌いなハセツネコースも少し愛着が湧いてきた。

スタートしてから20時間、4月5日 19時30分。いろいろと想定しないこともあったけど、75kクラスのメンバーが無事に戻ってきた。ハセツネ逆回りは浅間峠の後がキツい。そう言いながらも笑顔の方が多い。本当にメンタルもフィジカルもタフで素晴らしい。

なによりも主催者としては参加者のみなさまが無事だったことに一安心。ただ、いつも心がけている参加者満足という面では、まだまだ自分が望むレベルに達していないことを実感した。100%満足は無理でも、100%に近づけたい。今回の反省点は次回以降に活かしていきたいと思っています。

あらためて、みなさまが何かひとつでも「参加してよかった」と思える経験をしていただけていたらうれしく思います。MMAをスタートしてから自社ブランド運営やイベント開催など未経験のチャレンジが続くけど、みなさまの笑顔と感謝の言葉で気苦労も報われます。それどころか楽しくて仕方がない！

蚊取り線香スタイルは内容的にも現在のトレイルランのメインストリームではないし、有名なプロランナー主催でもない。しかし、年齢もトレイルラン歴も住む場所も違う方々が、蚊取り線香塾を通じて新しいコミュニティや価値観が生まれていく。自分がトレイルランをすることも楽しいけど、多くの方と経験を共有し、規模は小さいながらも新しい何かを生み出していくことの喜びはその何倍も大きい。何にも変えがたい貴重な経験だ。

みなさまのキラキラした表情が忘れられない。主催した自分が逆に参加者のみなさまから勇気や元気をいただきました。本当にありがとうございます。UTMF、STY、UTMBなどなど、各々目標のレースがあると思いますが、全力を尽くして完走しましょう！（もちろんぼくも）

そしてサポートメンバーもおつかれさまでした。曽根さんや箸方ご夫妻など、山屋の方と知り合えてよかったです。まみさん、金ちゃんもサポート超助かりました。kyowさん、新子さんは次もよろしくお願いしますw

PS：蚊取り線香塾には大会主催者も数名ご参加いただいた。この規模のイベントでぼくはヘロヘロなのに、大会主催とか神レベル！ぼくには到底無理。。。