大正から昭和初期にかけ活躍した伝説の登山家、加藤文太郎。新田次郎の小説「孤高の人」のモデルとしても知られています。
パーティーでの登山が常識だった当時、単独行で数々の登攀記録を残しました。地下足袋を履き、超人的なスピードで山を駆け抜けた破天荒な人物でもあります。
彼は職場の神戸から生家の浜坂へ帰るのに100キロ以上を歩き、週末のトレーニングでは六甲全山縦走路も走破しました。
このイベントはその足跡を辿るため、ルートは生家と職場を結ぶ176キロで兵庫を縦断します。
距離こそ長いものの制限時間は48時間あるので途中で温泉へ立ち寄ったり、昔ながらの風景が残る柤岡もコースで通ったりと、ツーリング的な要素もあり。
スタートは午後1時なので2晩は野宿をし、食事はコンビニを見つけては買い食いを楽しみます。
今年はスタートから15時間雨が降り続いたために、低体温症になったりマメができたりのトラブルに見舞われる人もちらほら。
それでも「吹雪に消えた加藤文太郎の過酷さを思えば、大したことないだろ?」とつぶやくと悪条件もまた楽しめました。
100人規模の小さなレースのため、良い意味で緩い運営と深い情熱が伝わってきます。地元の有志がエイドステーションを作ったり応援してくれたりと、ストーリー性の高い熱い2日間です。
こういった志の高いイベントは走って良し、運営側に回っても良し、どちらに参加しても同志との良い思い出になるのは間違いありません。






