2013年11月23日、小春日和の穏やかな気候のなか、かねてより挑戦を温めていた「箱根外輪山ぐるり一周(約50km)」に挑戦した。
本コースは、箱根湯本駅を起点とし、塔ノ峰、明星ヶ岳、明神ヶ岳、火打石岳、金時山、長尾山、丸岳、三国山、海ノ平といった古期外輪山を巡る。その後、鷹巣山、浅間山、城山、湯坂山といった新期外輪山を経て、箱根湯本駅に戻るという周回ルートである。
明神ヶ岳から望む富士山と南アルプス
明神ヶ岳からの眺望はすばらしく、空には一片の雲もなかった。富士山はもちろん、右手には南アルプスの山並みもくっきりと見えた。正面には、箱根外輪山の最高峰である金時山(標高1213m)がどっしりと構えていた。
尾根道と霜の感触
金時山を目指して、明るく開けた尾根道を進んだ。地面には霜が降りており、踏みしめるたびに「ザクッザクッ」と心地よい音が鳴った。朝の冷え込みが演出する静けさと音の響きに包まれながら前へと進む。
ただし、霜が溶け始めると同時に一部の道はぬかるみ始め、滑りやすくなった。慎重に足を運びながら、ややナーバスな気持ちでこの区間を抜けた。
金時山山頂と富士の絶景
金時山の山頂は多くのハイカーで賑わっていた。裾野まで広がる雄大な富士山の姿にしばし足を止め、静かにその景観を楽しんだ。
長く続く箱根外輪山の稜線
視線の先には、どこまでも続く稜線。箱根外輪山を一周するというこの挑戦の長さに、少しだけ気持ちが折れそうになる。
だが、左手には芦ノ湖の穏やかな水面が広がり、その景観に背中を押されるようにして足を前へ進めた
丸岳〜海ノ平:極上のトレイル
中盤の丸岳から海ノ平までは、ブナの落葉でフカフカのトレイルが続き、ハコネダケやススキが風情を添える極上の道だった。
唯一気になったのは、近くを通る箱根スカイラインと芦ノ湖スカイラインからの車やバイクの走行音である。せっかくの自然音に混じる人工音が、やや残念に感じた。
苔むす箱根旧街道
このルートには、江戸時代に整備された箱根旧街道の石畳も含まれている。石畳は傾斜のある部分にのみ敷かれており、苔が生えて滑りやすい。ランニングには不向きな区間ではあるが、歴史の重みを感じながら慎重に通過した。
紅葉と夕暮れ、そしてゴールへ
紅葉の見頃はすでに終盤で、標高の低いエリアにわずかに残るモミジが晩秋の名残を伝えていた。
コース後半は夕暮れとの競争になった。国道1号線の湯坂路入口でヘッドライトを装着し、鷹巣山、浅間山、城山、湯坂山と一気に駆け抜ける。17時30分、ようやく箱根湯本駅に到着。
朝6時に出発したので、活動時間は11時間30分。なお、「山と高原地図」によるコースタイムは19時間30分であるため、比較的良いペースで走り切ることができた。
まとめ:箱根外輪山一周の魅力
天候に恵まれ、富士山や南アルプス、芦ノ湖、相模湾、駿河湾など多くの絶景を堪能することができた。トレイルは走りやすく開けた場所が多く、距離は長いが総じて快適なルートである。
また、交通機関を利用すれば途中のエスケープも可能で、自分好みのルートにアレンジすることもできる。観光・温泉の選択肢も多く、自然と文化を同時に楽しめる点が箱根の大きな魅力だ。
トレイルランニングを始めた2年前からの目標だった「箱根外輪山一周」をようやく達成することができ、達成感はひとしおであった。
また必ず訪れたいと思う。箱根、最高。
2 コメント
ナイスランですね!紅葉とフカフカトレランいいですね~。私は今週末富士山を西から望むべく毛無山(1945m)に行ってきます。山頂の写真を見ると、寒そうですね。フーディニ1枚では少し厳しそうですのでダウンも持参します。日頃の行いに反し、天気も良いようですので楽しみです。
宮下さん、コメントありがとうございます。今週末の毛無山いいですねえ。2000m近い標高だから風があると寒いかもです。先週末はトレランしている時が暑くて、日中はカット一枚で十分でした。でも山頂や稜線上は、少し寒く感じるかもしれませんのでダウンは持っていった方がいいです。ちなみに先週末のトップスの装備はフーディ二、薄手のダウン、CAP4のHOODY、CAP2?でした。箱根外輪山は標高1000m前後なので凍っているところはなかったけど、標高2000m近いと北斜面とかの日陰は凍結している可能性があるので、気を付けてください。それでは天候に恵まれて気持ちよい山行になることを願っています!