◎泥の密林と
=衝撃のジャングル遠征=
パプアニューギニアの「ココダ・チャレンジ」は、ハードな山脈越えとして有名な「ココダ街道」を走る。WWⅡに日本軍と豪州軍が激戦を繰り広げ、豪州人の聖地となった96キロの一本道。
賞金レースとして開催され、現地のポーターやガイドにとっては1日で数年分の収入を1日で獲得できるために、先頭では白熱したトップ争いが繰り広げられます。
まずはスタート会場近くの合宿所に集合。軽飛行機で現地へ向かいましたが、地上を見ても滑走路らしきものは無く、どうなるかと思ったら芝生の広場に着陸しました。
到着して合宿所から周りを眺めると、数百メートル先に建物が1軒あり、それが商店とのこと。セキュリティのため間口は30センチ四方の窓が一つだけで、顔と腕を突っ込んで欲しい商品を指さして注文するシステム。日本にはない風景だと思っていると、突然「左に曲がります」と日本語が。振り返ると横須賀市のゴミ収集車が走っていました。
スタートは翌朝7時で、一同が揃ったのはこの時だけ。路面は泥が深く、倒木が多く、丸太橋は滑りやすく、渡渉も十数回。エイドは遅い選手が通過するころにはないことも多かったために、川の水を飲みながら進みます。夕方に現れた高床式住居のエイドでは隣の納屋に泊まることを勧められ、焚き火をつけたまま横の地面で眠りました。
翌日からは現地のポーターたちが同行しました。彼らは約50センチの剣を持ち、登山道わきの草や枝をスパスパ切りながら歩きます。路面はヌルヌルの泥で滑る一方、彼らは裸足やサンダルで危なげなく進んでいます。
「圧倒的に不利な装備なのに、俺達より安定している!?」と気づいて観察すると、常に自然な重心移動をこなすので絶対に転びません。蹴る動作はなく、重心を支えるだけで進みます。この身のこなし方が今回の遠征で一番の収穫になりました。
夜中に前のランナーが止まって石を投げ始め、何かと思えば体長3メートルのオリーブパイソン。偶然にも彼はオーストラリアでヘビの捕獲も仕事にしていたので、なんなく仕留めて首に巻き付けて運び、食料として村民にプレゼントしてました。
その後ゴールに近い夜中11時ごろ、急に増水した川を渡れるかどうかで係員と問答になりました。濡れた体では眠れないので、係員に見守られながら慎重に渡って1時前にゴール。1等は18時間ですが、私たちは41時間かかっているので静かなゴールになりました。
洗練された運営のイベントに慣れていると戸惑う刺激的なレースで、未知の土地を自力と経験値で進む「ジャングル遠征」でした。自然・歴史・文化・運営の違いまで含め、まだこれ以上の衝撃的なレースには出ていません。









