2025年は、複数回に分けて九州を一周するロングライドに挑戦している。
11月12日から25日までの14日間、熊本駅を出発し、福岡県・佐賀県南部を経て長崎駅までを走破した。
本記事では、その第三弾となる旅の日々を綴っていく。
DAY8:2025年11月19日(水)
雲仙 → 島原
移動距離:28km(累計421km)
累積標高差:202m(累計3,294m)
疲労と相談し、雲仙岳登山を見送る
疲労が出ていたため、予定していた雲仙岳登山は中止とした。 長期間のツーリングの途中に登山を組み込むのは、天候や体調など、いくつもの条件が揃わなければ難しい。無理をすればできなくはないが、旅を長く続けるためには「引き算」もまた大切であると実感した。
憧れのクラシックホテル、雲仙観光ホテル
まずは、昭和10年開業のクラシックホテル「雲仙観光ホテル」へ向かった。 いつか泊まってみたい憧れの宿だが、今回は完全に予算オーバー。それでも館内に足を踏み入れるだけで、歴史と伝統が醸し出す独特の空気を十分に味わうことができた。
下り坂のご褒美、島原への道
その後はワインディングロードを一気に下り、島原へと向かう。 前日に苦しんだ上り坂も、今日は下りとなり、あっという間に通過していった。
下り坂では、カンチブレーキの制動力にやや不安を覚えた。ディスクブレーキのような絶対的な制動力は望めない。カンチブレーキは「減速装置」と割り切り、早めのブレーキングと十分な安全マージンを取りながら、慎重にコーナーを抜けていった。
市街地が近づくにつれ、有明海の向こうに阿蘇山の姿がくっきりと浮かび上がる。左手には雲仙岳の荒々しい山容が続き、刻々と変わる景色を楽しみながら島原市街地へと進んだ。
湧水と城下町が残る街
島原は「水の都」と呼ばれる。一日の湧水量は22万トンにも及ぶという。 湧水地や水路には色鮮やかな鯉が泳ぎ、その穏やかな光景に、自然と心が和らいだ。
島原城天守閣からの眺めは爽快で、街と海を一望できる気持ちの良い場所である。
島原武家屋敷通りでは、中央を流れる水路と左右に連なる石垣が、印象的な景観をつくり出していた。
島原の味に癒される一日
昼食は島原の郷土料理、具雑煮をいただく。具だくさんで、だしの効いた優しい味わいが、疲れた体に沁み渡った。
夕食は市街地の居酒屋へ。三方を海に囲まれ、豊富な魚種を誇る長崎ならではの海の幸を堪能する。 長崎県産の日本酒に、お造りの盛り合わせ、店の名物である鯛の塩煮。素材の良さを活かしたシンプルな味付けが、実にうまい。 〆は、島原手延そうめんを自家製鶏ガラスープで仕立てた「ラーメン風そうめん」。文句のつけようがない、完璧な夜であった。
店員さんとの会話の中で、小浜から長崎市街地へ向かう道は、相当なアップダウンがあると忠告を受けた。 もっとも、酒も入っていたので「聞かなかったことにしよう」と笑い飛ばしていた。
走らず、登らず、ただ味わう一日もまた、九州を一周する旅には欠かせない時間であった。





