2025年は、複数回に分けて九州を一周するロングライドに挑戦している。
11月12日から25日までの14日間、熊本駅を出発し、福岡県・佐賀県南部を経て長崎駅までを走破した。
本記事では、その第三弾となる旅の日々を綴っていく。
DAY5:2025年11月16日(日)
大川→再び佐賀県入り→武雄→嬉野
移動距離:68km(累計253km)
累積標高差:334m(累計1,308m)
再び筑後川昇開橋へ――早朝の閉鎖と、思いがけない親切
宿で朝食を済ませ、出発する。
再び筑後川昇開橋を渡り、福岡県から佐賀県へ向かう。
筑後川昇開橋の福岡県側ゲートが開いていたため、てっきり通行可能だと思っていた。しかし、橋の中央付近まで進んだところで閉鎖中であることに気づく。どうやら通過可能な時間帯よりも早かったようだ。
清掃中の係員に挨拶をし、事情を相談してみる。
「戻って大きく迂回しないといけませんよね」と、半ば諦めつつ尋ねると、なんと鍵を開けてくれた。佐賀県側の係員はまだ出勤前とのことで、「本来なら向こうまで行って開けてあげたいが、清掃作業があるため、向こう岸のゲートは自転車を持ち上げて越えてください」とのことだった。
優しい対応には感謝しかない。
重い自転車を持ち上げてゲートを越える作業は、フェンダーをぶつけるなど想像以上の重労働であったが、無事に通過できてひと安心だった。
佐賀平野を抜け、“海の紅葉”に出会う
まずは、真っ平らな佐賀平野を走り抜け、東与賀海岸のシチメンソウ群生地へ向かう。 “海の紅葉”とも呼ばれるシチメンソウが赤く染まり、有明海の干潟と、その向こうに経ヶ岳を望む光景が広がっていた。
武雄の名所を巡り、二つの温泉地へ
続いて武雄へ。 武雄温泉の楼門と新館は国指定重要文化財であり、東京駅や日本銀行本店を手がけた「近代建築の父」辰野金吾の設計によるものだ。 武雄温泉・元湯で走行の汗を流し、しばし身体を休める。
その後に立ち寄った武雄市図書館は、グッドデザイン金賞を受賞した話題の施設だ。撮影可能なフォトスポットから一枚。洗練された空間デザインに、思わず見入ってしまった。
武雄神社の「武雄の大楠」は、推定樹齢3,000年。高さ27m、根回り26m、根元の空洞は12畳ほどの広さがあるという。平成元年の環境庁調査では全国6位の巨木とされ、まさに神が宿るような存在であった。「神々しい」という言葉が自然と浮かんだ。
紅葉まつり開催中の御船山楽園では、樹齢180年の大モミジがまだらに色づき、風情ある秋景色を楽しませてくれた。
武雄での観光を楽しんで、今夜の宿泊は日本三大美肌の湯のひとつ・嬉野温泉へ。武雄と嬉野、二つの温泉を巡る贅沢な一日であった。
順調な行程の裏で、身体は悲鳴を上げていた
実は二日前から腰痛がひどく、咳をすると響くほどの状態が続いていた。先週二度のボート釣行による疲労が残っていたのだろう。まさに自業自得である。 旅先でできる対処は限られるが、途中のドラッグストアでサポーターと湿布を購入した。温泉が、この腰痛にも効いてくれることを期待したい。
順調に見える行程の裏で、身体は確実に疲労を溜め込んでいる。 それでも明日もまた走る。その繰り返しが、この旅を形づくっていくのだろう。



