2025年は複数回に分けて九州を一周するロングライドに挑戦している。その第二弾の記録をお届けする。7月22日から8月4日までの14日間、鹿児島県・志布志港から熊本までを走破した。総走行距離は955km、累積標高差は9,560mに及んだ。
DAY11のハイライトは、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産のひとつ「天草の﨑津集落」である。
DAY11:2025年8月1日(金)
天草市牛深→ カトリック﨑津教会→ カトリック大江教会→ 妙見浦海岸→ 天草市本渡泊
走行距離:91km(累計837km)
獲得標高:724m(累計8,923m)
牛深から﨑津へ
この日の天草市本渡の予報最高気温は37.1度。炎天下の走行を避けるため、行程を早めに切り上げ、午後は宿で休む方針とした。
牛深港の宿で朝食を済ませ、午前8時前に出発。港からは、美しい曲線を描く牛深ハイヤ大橋を望むことができた。
崎津までの最終コンビニとなる「デイリーヤマザキ 天草河浦店」でパンとバナナを購入し、道中に食べる昼食としてバッグに収めた。
リアス式海岸の入り江は波が穏やかで、静かな風景が続いていた。
世界文化遺産「天草の﨑津集落」
いよいよこの日の最大の目的地、潜伏キリシタンの歴史を今に伝える「天草の﨑津集落」へ。
キリスト教布教期から島原・天草一揆、禁教期、そして明治の解禁までの歴史を知ることで、信仰とは何かを考えさせられる。
漁師町独特の風景として、家々が海に張り出すように造った「カケ」と呼ばれる海上テラスがある。暮らしの中に根づく歴史と文化を感じられた。
天草ロザリオ館とカトリック大江教会
次に訪れた「天草ロザリオ館」には、隠れキリシタンに関する貴重な遺物が展示されている。再現された隠し部屋では、禁教下でも信仰を守り続けた人々の強さを実感した。
丘の上に白亜の「カトリック大江教会」が建つ。 キリスト教解禁後に天草で最も早く建立されたロマネスク様式の教会で、現在の建物は昭和8年のもの。静謐な雰囲気に包まれていた。
天草西海岸の景勝・妙見浦
続いて訪れたのは、天草を代表する景勝地「妙見浦海岸」。 断崖が連なり、大小の島々が岸辺に接する。しばし見入ってしまった。
天草市立天草キリシタン館
宿のチェックインまで時間があったため、予定外で「天草市立天草キリシタン館」に立ち寄った。坂の上にあり、急坂を登るのは辛かったが、訪れる価値があった。
ここには島原・天草一揆で実際に使用された国指定重要文化財「天草四郎陣中旗」が展示されている。血の跡が残る旗を前にすると、戦乱の悲惨さと当時の人々の想いが胸に迫った。