2025年は複数回に分けて九州を一周するロングライドに挑戦している。その第二弾の記録をお届けする。7月22日から8月4日までの14日間、鹿児島県・志布志港から熊本までを走破。総走行距離は955km、累積標高差は9,560mに及んだ。
DAY6は鹿児島市内観光にあてた。ところが「せっかく来たのだから」と欲張りすぎ、観光疲れというオチがつくことになった。
DAY6:2025年7月27日(日)
鹿児島市→ 仙巌園、尚古集成館などを市内観光→鹿児島市泊
移動距離:18km(累計435km)
獲得標高:206m(累計5,208m)
西郷隆盛との対面からスタート
宿を出て、まずは磯エリアを目指す。その道すがら、西郷隆盛銅像に立ち寄り、軍服姿の凛々しい姿に挨拶した。上野の西郷像が狩装束であるのに対し、こちらは威厳ある姿。この旅の前に大河ドラマ『西郷どん』と司馬遼太郎の歴史小説『翔ぶが如く』で予習していたこともあり、目に入る史跡の一つひとつが深く心に響く。
鹿児島城の御楼門や西南戦争の銃弾跡に触れてから磯エリアへと進んだ。
名勝・仙巌園と歴史的建造物群
仙巌園の開園まで時間があったため、隣接するスターバックス コーヒー鹿児島仙巌園店へ。ここは旧薩摩藩主島津家の金山鉱業事業所をリノベーションした店舗で、歴史ある外観と趣のある内装が印象的だった。
開園と同時に仙巌園へ。雄大な桜島を築山、錦江湾を池に見立てた壮大な庭園はまさに「借景」の極み。島津家の別邸としての格式を感じさせる。
園内には世界遺産の「反射炉跡」も残り、幕末期にいかに近代化を目指していたかを物語っていた。
隣接する尚古集成館では、明治日本の産業革命遺産を見学。館そのものが1865年に建てられた「集成館機械工場」であり、現存する日本最古の洋風工場建築物である。近代化を進めた島津家の事業と、その歩みを知ることができた。
さらに、世界遺産の「旧鹿児島紡績所技師館(異人館)」へ。イギリス人技師の宿舎として建てられた建物で、ベランダを備えたコロニアル様式と日本的寸法が融合した和洋折衷の意匠は独特の雰囲気を漂わせていた。
西郷隆盛の精神に触れる
午後は上竜尾にある西郷南洲顕彰館を訪問。西郷隆盛の生涯を振り返り、その人柄と思想に触れる。動乱の時代を駆け抜けた人物の息遣いが、ジオラマや映像などの展示から伝わってくる。
鹿児島グルメを満喫
観光の締めくくりは鹿児島グルメの食べ歩き。 まずは「黒かつ亭 天文館店」で名物・黒豚とんかつを堪能。続いて「天文館むじゃき本店」で発祥のかき氷・白熊を味わった。練乳とフルーツが盛られた白熊は、暑い鹿児島にぴったりの涼味だった。
夕食は居酒屋で鹿児島名物「第3の黒」黒さつま鶏を味わい、さらに鹿児島ラーメンで締めた。
朝から晩まで観光とグルメを詰め込んだ、贅沢で少し欲張りな一日だった。