2025年は複数回に分けて九州を一周するロングライドに挑戦している。今回お届けするのは、その第二弾の記録である。7月22日から8月4日までの14日間、鹿児島県・志布志港から熊本までを走破。総走行距離は955km、累積標高差は9,560mに及んだ。
DAY3のハイライトは、本土最南端・佐多岬。通行止めの影響で走行距離は133km、獲得標高は2,000m超に。酷暑とアップダウンが容赦なく体力を削る、まさに試練の一日となった。
DAY3:2025年7月24日(木)
南大隅町根占→佐多岬→ 南大隅町根占→垂水市内泊
移動距離:133km(累計242km)
獲得標高:2,002m(累計2,971m)
本土最南端の道の駅・根占
佐多岬へ向かう途中に立ち寄った道の駅根占は、本土最南端の道の駅である。錦江湾越しに開聞岳を望む絶景スポットで、序盤から大隅半島の雄大さを実感できた。
薩英戦争の舞台・台場公園
錦江湾の入口に位置する台場公園では、薩英戦争当時の砲台跡に出会った。自転車旅の途中で歴史の舞台に触れられることも、この旅の大きな醍醐味である。
本日のハイライトの本土最南端・佐多岬
海岸沿いの集落から内陸へ入ると、勾配が一気にきつくなる。亜熱帯の植生が広がるが、それを味わう余裕もなく、へとへとになって本土最南端・佐多岬へ到着。
これで 宗谷岬(北端)、納沙布岬(東端) に続き、三極目を自転車で制覇。残すは西端・長崎県「神崎鼻」のみとなった。
佐多岬展望台からは開聞岳と大隅海峡を一望。台風接近の影響で雲が多く、屋久島や種子島までは見えなかったが、それもまた自然の一面である。
売店のソフトクリームで体を冷やし、束の間の休息を得た。
旅の味・昼食のちゃんぽん
昼に立ち寄ったラーメン店では、海鮮・肉・野菜がたっぷり盛られたちゃんぽんを注文。酷暑のせいであまり食欲はなかったが、塩分とエネルギーをしっかり補給しないとの思いで、胃に収めた。味わえる余裕はなかった。
思わぬ試練・国道269号通行止め
錦江湾に沿って走り、本日の宿泊地まで残り30kmまで来ていた。
なんと、国道269号が崩落で全面通行止めとなっていた。案内表示が出ていたが、よく確認することなく、道の駅 錦江にしきの里まで来てしまった。道の駅で念の為に店員さんに聞いてみたら、車両も徒歩もこの先で通行止め。やむなく来た道を戻り、山越えの迂回路へ。
迂回路は勾配が厳しく、交通量も多い。容赦ない暑さと大型車両の往来に神経を削られ、ついに限界を感じて東屋で休憩。頭から水をかぶると、先に広がっていたのは人工物のない大隅の原風景だった。苦行のなかに心を洗う瞬間があった。
苦行の果てに
宿へ着いた頃には、暑さと疲労でぐったりしていた。だが、そんな一日もまた旅の一部である。過酷さも含め、この挑戦を選んだ自分を肯定できる一日となった。







