2025年4月9日から22日までの13日間、九州を一周する自転車旅に出た。今回の旅はその第一弾として、福岡・新門司港から鹿児島・志布志港まで、約900kmを走り抜けた記録をお届けする。
DAY12:2025年4月20日(日)
日南市飫肥発→ 都井岬 → ダグリ岬展望台 → 志布志港フェリーターミナル → フェリー泊。で大阪南港へ
移動距離:85.0km (計:913.6km)
累積標高差:1,093m(計:8,441m)
雨風の中、リアス式海岸の過酷なラストライド
九州で迎える最後の一日。午前中は弱い雨が降り、リアス式海岸特有のアップダウンに加えて、向かい風。旅の締めくくりにしてはなかなかハードなスタートとなった。
途中の恋ヶ浦は、サーフィンのメッカらしい。この天候でも波に乗る人達で賑わっていた。
励ましの声とともに都井岬へ
アップダウンを何度も超えて、ようやく「都井岬・駒止めの門の料金所」へ到着。疲労困憊の中、「自転車は無料」と告げられた後、係員の一言。「よくここまで自転車できたね。お金をあげたいくらいだよ。」この言葉に、思わず心がじんとした。濡れた体に沁みるのは、雨ではなく人の温かさだった。
濃霧の中、御崎馬と静かに出会う都井岬
「都井岬」には、日本在来馬の御崎馬が野生のまま生息している。現在の生息数は約106頭。幸運にも10頭ほどの姿を実際に見ることができた。
雨で冷えた体を温めたくて、「PAKALA PAKA(都井岬観光交流館)」に立ち寄る。ホットコーヒーを一杯。外は濃霧が立ち込めており、予定していた「都井岬灯台」への道のりは断念することにした。
志布志で次の旅に想いを馳せる
気づけば、鹿児島県の県境をあっけなく越えていた。この旅で踏んだ九州の4県目。静かに、しかし確実に一歩前へ進んだ証。
「ダグリ岬展望台」では、志布志湾の雄大な景色を見渡した。次回は、ここ志布志港から旅を再開し、大隅半島から本土最南端の「佐多岬」を目指す予定。次の旅が、すでに心の中で静かに灯っていた。
温泉とフェリーと、旅の終章
雨で濡れた体を癒すため、「国民宿舎ボルベリアダグリ」で日帰り入浴。湯の中で、この12日間を振り返る。長かったようで、あっという間だった。
そして、「志布志港フェリーターミナル」からフェリーで大阪南港へ。これにて第一弾、九州一周自転車旅は一区切り。
明日は大阪から東京まで新幹線輪行。自宅に帰るまでが旅──その言葉を胸に、長旅の締めくくりに向かう。