北海道一周4,000km・49日間の自転車旅日記。
北の大地に広がる豊かな自然、歴史、文化、食との出会いを綴る。
【期間】2023年7月25日〜9月11日(49日間)
DAY45:2023年9月7日(木)
浦幌町のホステル 発→十勝が丘展望台→道の駅ガーデンスパ十勝川温泉→丸美ケ丘温泉ホテル→ぶた丼のとん田→六花亭 帯広本店→帯広競馬場→旧愛国駅→旧幸福駅→道の駅なかさつない→道の駅忠類→幕別町の宿泊施設(泊)
DAY45移動距離118km
累積移動距離3,779km
幸運な出会い――十勝川でタンチョウを目撃
十勝川の河川敷で、タンチョウのつがいに遭遇。
羽を広げて飛び立つその姿は、静かで優雅。旅の疲れも忘れる瞬間だった。
ちなみに、2023年度に北海道で確認された野生のタンチョウはわずか約1,800羽。1952年の調査開始当初は33羽と、絶滅寸前だった歴史がある。
十勝平野と日高山脈の大パノラマ
「十勝が丘展望台」からは広大な十勝平野が広がり、遠くに日高山脈を望むことができた。スケール感に圧倒される眺めだった。
モール温泉でひと休み
十勝川温泉といえば、植物由来の有機物を含んだ「モール温泉」。黒っぽくヌルっとした肌触りが特徴だ。
「道の駅ガーデンスパ十勝川温泉」で入浴を試みたが、ここは水着着用のスパ形式。係員の案内で、近くの「丸美ヶ丘温泉ホテル」へ。
これまでにも各地でモール温泉に浸かってきたが、やはり道内の温泉はどこも質が良いと実感。
帯広グルメの王道、ぶた丼
お昼は帯広名物「ぶた丼」。
行列のできる人気店「ぶた丼のとん田」へ。30分ほど待って入店。
丁寧に処理された十勝産の豚肉は柔らかく、脂っこさがない。自家製ダレとの相性も抜群で、追いダレするとさらに旨味が際立った。
食後のデザートは六花亭へ
スイーツは、マルセイバターサンドで有名な「六花亭帯広本店」へ。
ここでしか食べられない、クリームつめたての「サクサクパイ」をイートインで味わった。
店内は観光客や地元客で賑わっており、壁に飾られた黄色い自転車を使ったアートも印象的だった。愛車と同じカラーという偶然がうれしい。
「愛の国から幸福へ」――あの頃の記憶が蘇る
午後は「旧愛国駅」と「旧幸福駅」へ。
昭和48年、NHKの「新日本紀行」で紹介され、「愛の国から幸福へ」という切符が一大ブームに。私はそのブームをリアルタイムで体験した世代。
現在は廃駅となった両駅だが、訪れる人々の幸せを願うポジティブなメッセージであふれていた。恋人の聖地として、多くの観光客が足を運ぶのも納得できる。
本日のライドを終えて
この日は自然、温泉、グルメ、歴史と、北海道の魅力をフルコースで味わうような一日だった。
そして、旅のゴールまで残り3日、312km。終わりが近づく寂しさと、完走への意欲が入り混じる。