北海道一周4,000km・49日間の自転車旅日記。
北の大地に広がる豊かな自然、歴史、文化、食との出会いを綴る。
【期間】2023年7月25日〜9月11日(49日間)
DAY23:2023年8月16日(水)
鶴沼公園キャンプ場 発 → 旧赤間炭鉱ズリ山階段 → 赤平市炭鉱遺産ガイダンス施設 → 道の駅スタープラザ芦別 → 拾って来た家 やがて町 → 麓郷の森 → 五郎の石の家 → 富良野市内の民宿(泊)
DAY23移動距離121km
累積移動距離1,788km
熊出没、登れなかったズリ山階段
映画『ドライブ・マイ・カー』のロケ地としても知られる「旧赤間炭鉱ズリ山階段」へ。
ズリ山とは、炭鉱採掘で出た廃石を積み上げた人工の山のこと。
標高のある山に続く777段の階段は、日本一の長さを誇る。気合を入れて挑もうとしたものの、現地はまさかの熊出没による立入禁止。
8月14日・15日に連続して出没したと張り紙があり、無念の断念となった。
地下650mへ続いた赤平炭鉱の痕跡
続いて「旧住友赤平炭鉱立坑櫓」へ。
高さ44mの櫓は遠くからでも圧倒的な存在感を放っていた。かつてこの下には地下650mの立坑が伸びており、31年にわたり採掘が続けられていた。
時間の関係で「赤平市炭鉱遺産ガイダンス施設」の見学は割愛したが、静かに佇む櫓が、この地の歴史の重みを語っていた。
ガタタンラーメンの力強い味わい
昼食は芦別名物「ガタタンラーメン」を求めて「新宝来軒」へ。
海鮮、野菜、豚肉などの具がどっさり入った塩味のあんかけラーメンは、見た目以上に奥深い味わい。スープはトロッとしながらも重すぎず、夏の疲れた身体にちょうど良かった。
「北の国から」の記憶がよみがえる聖地巡礼
富良野・麓郷には、テレビドラマ『北の国から』の世界がそのまま残されている。
「拾って来た家 やがて町」や「五郎の石の家」、そして「黒板五郎三番目の家」など、作中の重要な舞台となった住居群が今も公開されている。
家の造り、置かれた家具、風景──どれもがドラマの名場面と重なり、思わず立ち止まって見入ってしまった。
黒板五郎というキャラクターの無骨な優しさ、昭和の男らしさが、この土地の空気とともに蘇ってきた。
富良野のご当地グルメ・オムカレー
夕食は、富良野産の食材をふんだんに使った「富良野オムカレー」。人気店「唯我独尊」で味わった。
濃厚なカレーにふわとろの卵がのり、ソーセージもジューシー。期待通りの味に大満足だった。
昭和の残り香が漂う民宿で一息
今夜の宿は富良野市内の素泊まり民宿。どこかくたびれた外観と内装だが、不思議と落ち着く。昭和の風情が色濃く残っていた。
この日の移動距離は、旅中最長の121km。しかも道中はアップダウンの連続に加え、台風の影響による強風に苦しめられた。特にトンネルや橋の通過時の横風は、本気で転倒を覚悟するレベル。
民宿の風呂でようやく体の芯まで温まり、長い一日を終えた。