北海道一周4,000km・49日間の自転車旅日記。
北の大地に広がる豊かな自然、歴史、文化、食との出会いを綴る。
【期間】2023年7月25日〜9月11日(49日間)
DAY22:2023年8月15日(火)
由仁町見立の沢キャンプ場 LAUGH TALE 発 → 幸福の黄色いハンカチ想い出広場 → 夕張市石炭博物館 → 鶴沼公園キャンプ場(泊)
DAY22移動距離105km
累積移動距離1,667 km
キャンプ場に舞い降りたサプライズ
朝、キャンプ場で嬉しいサプライズがあった。友人が差し入れを持って訪ねてきてくれたのだ。SNSがつなぐご縁に、心から感謝したい。
会話も弾み、旅の疲れも吹き飛んだ。一緒に写真を撮り忘れたことだけが悔やまれるが、このキャンプ場に心温まる思い出がまた一つ加わった。
「全道が泣いた」焼きそばとの遭遇
途中のセイコーマートで目を引いたのが、「山わさび塩焼きそば」のカップ麺。POPには「全道が泣いた」の文字。2018年の販売以来、断続的に再販されているらしい。
さっそく食べてみたが、山わさびのツーンとくる刺激が強烈で、一気に目が覚めた。こんな尖った商品を開発するセイコーマート恐るべし。
映画の世界に入り込む ー「幸福の黄色いハンカチ」
今日の目的地のひとつは、夕張市にある「幸福の黄色いハンカチ想い出広場」。
1977年公開の名作映画『幸福の黄色いハンカチ』のロケセットがそのまま残されている場所だ。
旅に出る前に改めて映画を見直していたこともあり、現地の風景とシーンが重なって、胸が熱くなった。
黄色いハンカチが風に揺れるさまは、どこか切なくも希望に満ちていた。
栄光と衰退──炭鉱の記憶を辿る
続いて訪れたのは「夕張市石炭博物館」。
ここではかつての炭鉱の仕組みや作業の様子がリアルに展示されている。
ドラムカッターの実演は迫力満点。重機の轟音が響き、かつての現場の熱気が蘇るようだった。
1960年代には8,000人が暮らしていたこの地に、今は誰も住んでいない。日本の産業を支えた炭鉱の街の盛衰に、もの悲しさを覚えた。
かつて石炭輸送を担ったJR石勝線夕張支線も、2019年に廃止。鉄道の役割が終わっていく様子に、時代の移ろいを感じずにはいられなかった。
デゴイチを発見
夕張から田園地帯を走り、岩見沢、三笠を経由して鶴沼へ。途中、静態保存された蒸気機関車「D51(デゴイチ)」を発見。
1,000台以上が製造された、日本最大の生産数を誇る蒸気機関車。黒光りするその姿には、今なお力強さが宿っていた。
フリーサイトでのびのびと
今夜の宿は「鶴沼公園キャンプ場」。温泉は併設の「うらうす温泉」へ。モール泉の湯に浸かり、心身ともにリフレッシュできた。
午後4時のチェックインに間に合わないかと焦り、途中からペースを上げて爆走。汗だくでキャンプ場に到着すると、鶴沼のほとりに広がるフリーサイトが出迎えてくれた。
のびのびとテントを張り、静かな湖畔の夜を楽しんだ。