北海道一周4,000km・49日間の自転車旅日記。
北の大地に広がる豊かな自然、歴史、文化、食との出会いを綴る。
【期間】2023年7月25日〜9月11日(49日間)
DAY16:2023年8月9日(水)
ふるさとの丘キャンプ場 発 → 道の駅 ニセコビュープラザ → まっかり温泉 → ふきだし公園 → トリフィートホテル&ポッドニセコ(泊)
DAY16移動距離63km
累積移動距離1,212km
美しき「蝦夷富士」羊蹄山
北海道の名峰「羊蹄山」は、標高1,898mの成層火山。
その美しい円錐形から「蝦夷富士」の別名を持ち、日本百名山にも数えられている。
実はこの山への登山も検討していたが、自転車旅の継続を優先して今回は見送ることに。登山は“余力があれば”と考えていたプランだったため、今の体力状況では無理は禁物と判断した。
時間に少し余裕ができたので、代わりに羊蹄山をぐるりと囲むようにのんびりとサイクリングすることにした。
朝のテント干しとニセコのサイクルステーション
晴れ間を見つけて、途中の公園で朝露に濡れたテントをしっかり乾かす。これもロングツーリングならではの大事な時間。
「道の駅ニセコビュープラザ」では、正面に羊蹄山がドンとそびえる絶景が広がる。併設されたサイクルステーションで空気入れを借りて、実に2週間ぶりにタイヤの空気を補充。こうしたサービスは、長旅のサイクリストにとって本当にありがたい。
羊蹄山を望む露天風呂と、“白いラーメン”
真狩村にある「まっかり温泉」へ。午前中の汗を流しながら、露天風呂からは再び羊蹄山の堂々たる姿を望む。静かで贅沢な時間。
施設内の食事処「ニセコラーメン ポテラ」で昼食。
名物の“白い味噌ラーメン”は、ニセコ産の男爵いもをムース状に仕上げたポテトスープが上に乗っていて、その下に味噌ラーメンが隠れているという一風変わったスタイル。中太麺とポテトのコクが意外に合い、美味しく完食。
自然の恵み、京極の「ふきだし湧水」
京極町の「ふきだし公園」では、羊蹄山の雪解け水が地中で長い年月をかけて濾過され、湧水としてこんこんと湧き出ている。
この水は「名水百選」にも選ばれた天然水で、冷たく清らか。口に含めば、まるで山の気配が伝わってくるかのようだ。
駐輪場には、合宿中のような外国人ロードバイクチームが数組。少し話すと、こちらが北海道一周中だと知って「Cool bike!」と褒められた。
旅の途中でのこうした会話は、ほんの一瞬でもモチベーションを高めてくれる。
心と髪を整える
今夜の宿は「トリフィートホテル&ポッドニセコ」。
通路とカーテンで仕切られたスタイリッシュなカプセルホテルで、ゆったりとした設計がとても快適だった。
時間にも気持ちにも余裕ができたので、旅に出てから初めて理容室へ。
髪と髭を整えてもらうと、どこか気分も引き締まる。
自転車旅は身体のケアだけでなく、“心の整え方”も大事だと、ふと感じた。