北海道一周4,000km・49日間の自転車旅日記。
北の大地に広がる豊かな自然、歴史、文化、食との出会いを綴る。
【期間】2023年7月25日〜9月11日(49日間)
DAY4:2023年7月28日(金)
ポロトの森キャンプ場 発 → ウポポイ 民族共生象徴空間・国立アイヌ民族博物館 → 仙台藩白老元陣屋資料館 → 登別地獄谷 → イタンキ浜 → 室蘭市内のビジネスホテル(泊)
DAY4移動距離63km
累積移動距離224km
早朝の静かなポロト湖畔
昨夜は涼しく、久々によく眠れた。疲労もあって爆睡。天気予報では、30度を超える暑さは今週末までとのこと。旅の不安要素がひとつ減り、ほっとする。
キャンプ場を撤収し、朝のポロト湖畔へ。穏やかな湖面を眺めているだけで、心が癒されていく。
朝食は安定のセコマ。ついに「ペコマカード(セイコーマートクラブ会員証)」を入手し、アプリもダウンロード。これでキャンペーンなども活用できる。旅の節約術のひとつとして頼もしい味方だ。
ウポポイでアイヌ文化体験
「ウポポイ(民族共生象徴空間)」と併設の「国立アイヌ民族博物館」を訪れ、アイヌの文化にじっくり触れた。
アイヌ民族は、動植物、火や水などの自然のすべてを「カムイ(神)」として敬ってきた。
カムイは、人間に恵みや教えを与えるため、自然や動物の姿をとってこの世に現れ、役目を終えると、仲間が待つ神々の世界へ帰っていく。
その旅立ちを見送り、再びの来訪を願って行われる儀式が「イオマンテ」だ。中でも熊送り(熊の魂を神へ返す儀式)は象徴的で、一見残酷に見えるが、背景を知ることでその深い信仰と感謝の心が見えてくる。
地球のパワーが溢れる地獄谷
急な坂と暑さに苦しみながら、登別温泉エリアへ。噴煙を上げる地獄谷を歩くと、地球のエネルギーが肌で感じられる。まさに“生きた大地”という風景で、圧倒された。
時間の都合で登別温泉には立ち寄れず。あの湯に浸かれなかったのは、今日一番の心残りかもしれない。
鳴砂のイタンキ浜
歩くと“キュッキュッ”と音が鳴る鳴砂で知られる、イタンキ浜へ。雄大な海岸線の景色にしばし見とれる。
その後、東室蘭のビジネスホテルにチェックイン。宿では3日分の洗濯と乾燥を一気に片付け、少しだけ“生活感”のある時間を過ごす。
室蘭やきとりは鶏肉でなく豚肉
夜は、名物「室蘭やきとり」を求めて、人気店「やきとりの一平 本店」へ足を運ぶ。
室蘭やきとりは、鶏ではなく豚肉が主役。豚肉と玉ねぎを串に刺して甘辛いタレで焼き、洋がらしを付けて食べるのが定番スタイルだ。
かつて鶏肉は高級品で、手頃に手に入る豚肉が庶民のタンパク源だったという背景がある。
一緒に頼んだモツ煮も安くてボリューム満点。心もお腹も満たされた、室蘭の夜だった。