高松駅を起点・終点とする約1,400km、22日間の四国一周自転車旅日記。四国の自然、歴史、文化、食に触れた日々を綴る。
期間:2024年10月1日〜10月22日(22日間)
DAY10:2024年10月10日
土佐市宇佐町発〜第36番札所 青龍寺〜横浪黒潮ライン〜帷子崎展望台〜武市瑞山銅像〜七子峠〜第37番札所 岩本寺〜四万十町泊。
DAY10移動距離70km(計601km)
DAY10累積標高差971m(計4,930m)
朝一は青龍寺へ
まずは「第36番札所 青龍寺」へ。長い石段を登り切った先に、静かで趣のある寺が佇んでいた。朝一番に訪れる寺は、気持ちが引き締まり心地よい。
アップダウンのある横浪黒潮ライン
リアス式海岸が広がる横浪半島の尾根沿いを走る「横浪黒潮ライン」。景色は素晴らしいが、アップダウンが激しく、自転車には少々ハードな道のり。
横浪半島には高校野球の強豪・明徳義塾高校のキャンパスがあり、スクールバスとも何度かすれ違った。
最初の展望地「帷子崎展望台」からは、リアス式海岸の絶景が広がっていた。青い空と青い海、そして黒潮に洗われた海岸線のコントラストが美しい。
土佐偉人の武市瑞山銅像
次の展望台には、幕末の志士・武市瑞山(通称:武市半平太)の銅像が立っている。尊王攘夷を掲げた土佐勤王党を結成し、その活動は幕末の政治に大きな影響を与え、明治維新の礎を築いた。
須崎名物、鍋焼きラーメン
昼食は「すさき駅前食堂」で、須崎名物の「鍋焼きラーメン」をいただいた。戦後の食糧難から生まれた庶民の味で、鶏がらベースのしょうゆスープに、歯ごたえのある細麺。竹輪、ネギ、生卵、親鶏の肉と、シンプルながら心に残る具材。熱々の土鍋で提供される。
難所の七子峠
土佐久礼の市街地から、国道56号を通って標高289mの「七子峠」まで、およそ7kmの登り坂。高度を上げるにつれ、遠くに太平洋の眺めが広がっていった。
峠に残る朽ちたガソリンスタンドが、かつて高知自動車道ができる以前に交通の要所だったことを物語っていた。
アート推しな岩本寺
「第37番札所 岩本寺」は、本堂の天井に描かれた575枚の天井画で有名。宿坊の部屋や壁にはアーティスト・SHETAによるポップアートが施されており、寺キャンプや寺サウナといったユニークな取り組みも行われている、現代的な魅力にあふれた寺院だった。
木材を活かした宿
今夜の宿は「美馬旅館 はなれ 木のホテル」。林業が盛んな高知ならではの、木の温もりを活かしたモダンな宿だった。自転車は館内の階段下スペースに停めさせてもらい、まるで愛車もくつろいでいるようだった。
満州軒の元祖ジャン麺
夕食は、四万十町古市町にある焼肉店「満州軒」へ。名物のジャン麺は、ニラ・唐辛子・ホルモンが入った餡がかかった熱々の麺料理で、卵をトッピングしていただいた。「ご飯と合うラーメン」とのキャッチコピーどおり、ご飯との相性は抜群だった。
須崎の鍋焼きラーメン、四万十のジャン麺──ローカルグルメの底力に圧倒された一日だった。