高松駅を起点・終点とする約1,400km、22日間の四国一周自転車旅日記。四国の自然、歴史、文化、食に触れた日々を綴る。
期間:2024年10月1日〜10月22日(22日間)
DAY2:2024年10月2日
高松発〜獅子の霊巌展望台〜四国八十八ヶ所霊場 第84番札所 屋島寺〜四国村ミウゼアム〜道の駅 源平の里むれ〜道の駅 津田の松原〜讃州井筒屋敷〜かめびし屋〜東かがわ市引田泊。
DAY2の移動距離67km(計86km)
DAY2の累積標高差542m(計789m)
瀬戸内海随一の景観
屋島は平安時代末期、源平合戦「屋島の戦い」の舞台となった地。山頂部は屋根のように平らなテーブル状になっている。「屋島スカイウェイ」で山頂を目指す途中には、「ミステリー坂」と呼ばれる不思議な坂があり、見た目は下りなのに、実際は上っているという錯覚を体験できる。
四国らしい絶景の聖地『四国八十八景』のひとつ「獅子の霊巌展望台」からの瀬戸内海の眺望は素晴らしいの一言。
四国遍路は巡礼の旅
四国遍路は四国に点在する八十八の霊場を巡る旅。1,200年前に弘法大師空海が修行した足跡を訪ね、ご利益や功徳を得ようという全長1,400kmに及ぶ巡礼の旅。
今回の自転車旅のルートは、四国遍路のルートと重なる部分も多く、道中では多くの歩き遍路の方々とすれ違った。徒歩で全札所を巡る場合、40〜60日ほどかかるという。
道中に札所がある場合には、極力お参りすることにした。お参りすると、心が落ち着いて清々しい気持ちになるからだ。
「第84番札所 屋島寺」へ。旅の無事を祈り、御守りを購入。宝物館で源平合戦絵図「那須与一の扇の的」を鑑賞。『平家物語』に記される、扇の的を射抜く話が有名な那須与一は私の故郷の誇りだ。那須与一の扇の的を描いたマンホールの蓋を高松市内で見つけた時は、嬉しく思った。
祖谷に行かずとも、かずら橋へ
四国の歴史的建造物を集めた広大な野外博物館「四国村ミウゼアム」。土地土地の自然、風土、産業などによって、建造物は多種多様なことがわかる。
徳島県の「祖谷のかずら橋」が有名だが、ここには縮小サイズのかずら橋がある。いつかは祖谷のかずら橋を見てみたいものだ。かずらとは、シラクチカズラのこと。シラクチヅル、サルナシとも呼ばれる。蔓が非常に丈夫で腐りにくいことから、古くは吊り橋の材料に使われている。かずら橋を怖がりながら渡る子供達が可愛らしかった。
小豆島農村歌舞伎舞台と醤油蔵の仕込桶。
食い逃した旬のオリーブハマチ
オリーブハマチは、毎年9月中旬頃から翌年1月頃まで出荷される期間限定のブランド魚。香川県産のオリーブ葉の粉末を加えた餌で育った養殖ハマチで、歯ごたえがよく、さっぱりした味わいが特長。
オリーブハマチを使用したハマチ漬け丼を食べたくて、「道の駅 源平の里むれ」へ。しかし、なんと店休日。
自転車旅ではよくあることだが、目当ての店や施設に到着してみると、店休日だったり営業時間外だったりすることがある。
ランチ難民になりそうなところで、道中に鼻を効かせて、製麺所が営むうどん屋「手打ちうどん本舗 むれ」へ。ここでは肉うどんを。ほっこりとする素朴な味わいだった。
醤油の香りが漂うかめびし屋
引田の町並みは、昔ながらの景観を色濃く残している。「讃州井筒屋敷」や「かめびし屋」など、楽しみにしていた施設はすべて店休日で外観のみの見学に。オリーブハマチに続いて、ここでも店休日。まさに“店休日に泣かされた一日”だった。
「かめびし屋」は1753年の創業以来、伝統的な「むしろ麹法」というのを守り続けてきた日本で唯一の醤油蔵。茶屋や売店もあるがこの日は店休日。赤壁になまこ壁という特徴的な建物の周りに漂う醤油の香りだけでも満足できた。
コンテナ泊で学生気分に浸る
本日の宿泊先はコンテナハウス一棟貸しの「The Villa AIOI」 。小さい液晶テレビ、パイプベッド、ユニットバスにユニットキッチン。大学生時代のワンルームアパートぽくて、懐かしい空間で妙に落ち着く。夕方から雨の予報が出ていたため、管理人さんのご厚意で自転車を室内に保管させてもらえた。夕食はスーパーで買った惣菜をレンジで温め、ロング缶で乾杯。懐かしの学生気分がよみがえる、完璧な夜だった。