2021年4月、Virtual UTMF2021を7日間で無事に完走。
コロナ禍で中止となったUTMF2021。その未練を、自分だけの100マイルでようやく断ち切ることができた。
UTMF2021中止の衝撃と、バーチャル開催の発表
2021年3月中旬、UTMF2021の開催中止が発表された。
長年目指していたUTMF完走の夢は、新型コロナウイルスの影響であっけなく消えてしまった。
開催予定は4月23日〜25日。その代替策として発表されたのがVirtual UTMF2021だった。
Virtual UTMFとは?
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期間:2021年4月19日〜25日(7日間)
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内容:Stravaアプリで累計160kmのランニング記録を公開
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特典:デジタルワッペン、UTMF専用のITRA 6ポイント(今後3年間有効)
世界中のランナーが参加可能なバーチャルレース。コースもペースも自由。
だが、自分自身と向き合う厳しさは、リアルレースと何ら変わらなかった。
モヤモヤをぶつける場所としての「Virtual UTMF」
正直、UTMFの中止は予想していた。それでも、現実となると悔しさがこみ上げた。
何かにこの気持ちをぶつけたい──そんなとき、Virtual UTMFはその受け皿となった。
ただ、一人で160kmを走ることには不安もあった。職場のトレラン仲間に声をかけたところ、5名が参加を決意。
仲間と共に挑めることが、何よりも心の支えになった。
平日ランと週末ロング走の7日間
Virtual UTMFのルールでは、160kmを7日間=164時間で走れば完走扱いとなる。
UTMFのような関門やコース指定はないが、平日は仕事と家事に追われる現実がある。
計画の概要:
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平日(月〜木):15kmほどの帰宅ラン
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金曜:レスト
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土日:50kmずつのロングラン(多摩川河川敷)
平日は定時退勤を目指し、15〜20kmの帰宅ラン。帰宅は夜10時過ぎ、そこから洗濯や家事をこなす。
睡眠時間を削って時間を捻出し、仕事の調整は早出で対応。まさに時間との勝負だった。
大切だったのは「セルフマネジメント」
この7日間で痛感したのは、セルフマネジメントの難しさだった。
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計画通りに距離を積み上げること
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疲労を残さないこと
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仕事・家事・ランを効率よく両立すること
100マイルを走るという行為は、単なる運動ではなく、日常そのものをマネジメントする力を試されるものだった。
仲間の存在が支えてくれた
モチベーションの維持には、仲間の存在が大きかった。
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Stravaで互いをフォロー
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LINEで進捗を報告し合う
ある者は1日で77kmを走破し、またある者は毎朝15kmを淡々と積み上げた。
その姿に刺激を受け、自分も走り続けようと奮い立たされた。
「自分だけの100マイル」がくれたもの
Virtual UTMFは競争ではない。
自ら計画し、走り切る──そのプロセスこそに価値がある。
一人の挑戦でありながら、バーチャル空間には同じ目標を目指す仲間がいた。
新しい形のトレイル体験だった。
そして何より嬉しかったのは、5人全員が完走できたこと。
途中で誰一人として脱落しなかった。それが何よりの成果だった。
未練を乗り越え、次のステージへ
UTMF2021が中止になった瞬間、喪失感に襲われた。
だが、Virtual UTMFを完走したことで、これまでの努力が無駄ではなかったと実感できた。
ひとつの区切りがついた。
UTMFへの未練は断ち切れた。
そして、新たなチャレンジに向かう気持ちが戻ってきた。