マラソンシーズン初戦、大田原へ
2018年11月23日、第31回大田原マラソンを走った。昨年からの2年連続のエントリー。
栃木県北部・大田原市で開催される本大会は、制限時間4時間という競技性の高い公認レースであり、いわゆる「ガチなランナー」が集うストイックな大会である。
仮装は禁止されており、エイドもゼネラル給水に水とスポーツドリンクのみ。給食は一切なく、純粋な走力を問われる環境が整っている。
コースの特徴と過酷な自然条件
大田原マラソンの最大の特徴は、すり鉢状のコースである点だ。前半は下り基調、後半は上り坂という構成で、後半に向けて脚への負荷が高まる。
加えて、那須おろしと呼ばれるこの時期特有の北西風が試練となる。レース当日正午には風速7.7m/sの強風が吹き、追い風だった前半とは打って変わり、後半は容赦ない向かい風が立ちはだかった。
中5日の挑戦:FunTrails50Kからの回復
今回の最大のテーマは「中5日でのフルマラソン完走」であった。わずか5日前、11月17日にFunTrails50K(52km)を走ったばかり。疲労を抱えた状態で、どこまで戦えるかを自分自身に問うた。
レース後は栄養価の高い食事と積極的なレストを心がけたものの、深部筋には痛みが残った。スピード練習は控え、アクティブレストに徹した。6日あっても疲労は完全に抜けず、年齢による回復力の低下を痛感した。
スタート:キロ5分で様子を見る
午前10時、美原公園陸上競技場のBブロック後方からスタート。スタートゲート通過は33秒と、前年と同様であった。
疲労が抜けていないこともあり、当初の目標ペースはキロ5分。調子が悪ければサブ4に切り替えるつもりであったが、脚の重さに合わせてキロ5分5秒にペースを落とし、前半の追い風と下り坂に引っ張られ過ぎないよう意識した。
-
5km:26分13秒
-
10km:50分59秒
ハプニング:12.7kmでまさかのトイレピットイン
突如として尿意に襲われ、12.7km地点で仮設トイレに立ち寄った。3基に4名の列。約2分30秒のロス。フルマラソン9戦目にして初のレース中トイレ経験であった。
復帰後はキロ4分45秒でリカバリーを図り、遅れを取り戻した。
-
15km:1時間18分15秒
-
20km:1時間42分17秒
-
中間:1時間47分37秒
中間通過タイムから逆算し、ゴール予測は3時間40分台前半。昨年の同大会での記録更新が視野に入る。
試練の後半:向かい風と上り坂のダブルパンチ
23.7km地点から上り坂に切り替わり、リズムが崩れ始める。使用する筋肉が変わったことで脚が急激に辛くなり、加えて那須おろしの強風が真正面から吹きつけてくる。
-
25km:2時間7分15秒
-
30km:2時間33分30秒
昨年の自分はこのあたりから大きく失速した。今年は昨年の反省を活かし、歩くランナーをひとりひとり追い越すことに集中。ペースは落ちたが、気持ちは折れなかった。
応援の太鼓とハイタッチが心の支えとなった。
-
35km:2時間59分29秒
残り7km:気力と根性のラストスパート
市街地に入り、応援が増えてくることで再び元気が湧いてくる。残りの距離をホームコースの駒澤公園の周回コースに置き換えて、自分を鼓舞する。
-
40km:3時間25分32秒
陸上競技場に戻り、最後の3/4周。全力でスパートし、ゴールへ。
ゴール!昨年の同大会の記録更新で完走
-
フィニッシュタイム:3時間36分39秒
中5日で、トレイル52kmとフルマラソンのダブル完走に成功。しかも昨年の同大会での記録を5分15秒更新するという成果を得た。
完走後は両脚が攣って悶絶したものの、やり切ったという実感に満ちていた。
故郷・大田原で走る喜び
大田原マラソンは、自分の母校がある故郷の大会である。厳しい制限時間、過酷なコース、吹きすさぶ那須おろし。それでも、だからこそ挑戦しがいがある。今回も素晴らしい運営と、沿道の温かい声援に感謝したい。
また来年、この地へ帰ってきたい。