2014年8月7日、日帰りで富士山に初登頂した。
40代最後の夏という節目の年にあたり、以前から登りたかった山々の中から厳選し、計画的に登山を実行している。
今回選んだのは、吉田、富士宮、須走、御殿場の四つある富士登山ルートのうち、最もマイナーな御殿場ルートである。
標高差は2,330m、往復の距離は約20kmと長く、山小屋も少ないため、体力的・精神的にタフなルートとして知られている。
登山ルートの概要
通常は「御殿場口新五合目」を起点とするのが一般的だが、今回は「水ヶ塚公園」からスタートした。
この選択には理由がある。2013年のUTMF(STY)に参戦した際、このエリアの樹林帯に強く印象を受け、再びあの静かな森を歩いてみたかったのだ。
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往路:水ヶ塚公園 → 四辻 → 上双子山 → 御殿場ルート → 富士山山頂
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復路:山頂 → 御殿場ルート七合目 → 宝永山 → 第一火口縁 → 須山口登山歩道経由 → 水ヶ塚公園
総距離は約28km、累積標高は2,700mに及ぶ行程となった。
試練と高山病、そして爪のトラブル
序盤は快調に飛ばしたものの、休憩をほとんど取らなかったツケが後半に回ってくる。
標高3,000mを超えたあたりから激しい頭痛に襲われ、高山病の典型的な症状を初めて経験した。
最初はただの疲労による頭痛かと思ったが、高度を下げても症状は緩和されず、自宅に戻るまで頭の重さが残った。翌朝にはすっかり回復したものの、教訓の残る出来事であった。
さらに、長い下りをスピードを出して降りた結果、足の爪を痛めるというトラブルも発生。
距離の長さといい、身体的ダメージといい、初めての富士登山はまさに「苦行」であった。
苦行の果てに得た絶景と満足感
それでも、雲海や富士山ならではのスケールの大きな自然風景には圧倒され、日本最高峰に立ったという達成感はひとしおであった。
特に、復路で通過した須山口登山歩道の樹林帯は静けさに満ちており、心を癒やしてくれるような素晴らしいトレイルであった。
振り返れば、良くも悪くも強く記憶に残る、人生初の富士山登山であった。