はじめに|旅とトレイルが融合した新しいレース体験
2024年6月16日(日)、群馬県で開催されたSPA TRAIL(スパトレイル)に参加した。本レースは、群馬を代表する温泉地四万温泉から草津温泉まで、六合(くに)の高原を舞台にした全長81.4kmのロングトレイルレースである。
記念すべき第1回開催となる本大会は、プロトレイルランナー鏑木毅氏と松本大氏のプロデュースによって実現した話題のレースであり、旅とトレイルを高度に融合させたイベントとして注目を集めていた。
コース概要|六合の高原を貫く81.4kmの走破
SPA TRAILは走れるトレイルとして設計されており、制限時間は15時間とやや厳しめの設定。事前ブリーフィングでは「走れるコース」と何度もアナウンスされ、自然と参加者の緊張感が高まった。
しかし実際は、豊かな自然と整備されたコースが多く、終わってみれば完走率78.9%(669名中528名完走)という高い数字を記録した。
筆者自身も、今年初のトレイルレースながら13時間10分36秒で無事完走を果たすことができた。
印象に残ったシーン|風景・メッセージ・そして出会い
1kmごとの距離表示とメッセージに励まされる
ありがたいことに、コース上には1kmごとの距離表示が設置されており、要所要所では鏑木・松本両氏による熱いメッセージが記されていた。それぞれの言葉が疲れた心身に力を与えてくれた。
野反湖の絶景に声が漏れる
笹薮を越えた先に現れた野反湖の風景には、思わず「ウァオ!」と声が出るほど感動した。まるでスイスを思わせる湖畔のトレイルは絶品であり、中盤の疲労も吹き飛ぶ。
野反湖キャンプ場も併設されており、非常に心地よい雰囲気でキャンプにも最適である。
弁天山からのスカイビュー
48km地点付近、コース最高地点の弁天山(1,650m)からは視界が一気に開け、空と大地が広がるスカイビューを楽しめた。
北米のような草原地帯
67km付近の草原は、まるで北米のプレーリーを彷彿とさせる壮大な景色。コース後半の疲労も、この開放的な風景に癒やされた。
「旅」としてのSPA TRAIL|レースを超えた体験価値
SPA TRAILの魅力は、単なるトレイルレースにとどまらない。温泉地間を巡るという旅の構造そのものが、この大会の最大の魅力である。アクセス手段や温泉、食事、宿泊、そして地域住民との触れ合い――これらすべてが“レース”の中に含まれていた。
特に、四万温泉・草津温泉という歴史ある湯治場がスタート・ゴール地点であることから、旅人を癒やす文化的な背景と「走る」体験が美しく融合していた。
おわりに|日本を代表するレースとしてのポテンシャル
初開催ながら、運営の完成度、コースの魅力、地域のホスピタリティのすべてが高水準であり、今後SPA TRAILが日本を代表するレースに成長することを強く期待したい。
ランナーとしてはもちろん、旅人としても心から満たされる体験であった。走ることで地域を知る、新しい旅のかたちがここにあった。
2 コメント
神山さん、お疲れ様でした。まさに『旅』という言葉がふさわしい、いい大会でした。
みなとん?こみなとん?あ、やっと分かりました。SPA TRAIL、本当にお疲れ様でした。レース後の帰路の運転もお疲れ様でした。私は後泊でしたが、晩酌したら、即効眠気が来て、早めに就寝しました。本当にいい大会でしたね。また来年も機会があれば是非参加しましょう。次はおんたけ100kmでお会いしましょう。その際はよろしくお願いします!