2013年11月2日、秋晴れの空の下、火打山と妙高山を周回する日帰り登山に挑んだ。
紅葉の盛りは過ぎていたが、澄んだ空気と山頂からの360度の大展望に心洗われるような気分となり、満足度の高い山行であった。
頸城三山をめぐる周回ルート
今回のルートは、上信越高原国立公園内にある火打山(2,462m)と妙高山(2,454m)を巡る周回コースである。
この2座に焼山を加えた三山は、頸城三山(くびきさんざん)と呼ばれ、豪雪地帯ならではの豊かな自然と独特の地形美を誇っている。
火打山は、なだらかな山容と池塘湿原、高山植物の豊富さで知られ、対する妙高山は5つの外輪山からなる二重式火山。その端正な姿から「越後富士」とも称される。
コース概要
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スタート/ゴール:笹ヶ峰登山口
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ルート:笹ヶ峰~高谷池~火打山~茶臼山~黒沢池~妙高山~黒沢池~笹ヶ峰
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距離:24.6km
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累積標高差:2,156m
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所要時間:8時間18分(※ヤマケイアルペンガイドでは1泊2日/標準コースタイム14時間20分)
歩きはじめ|落葉の白樺林に「寂び」を感じる
笹ヶ峰を出発し、落葉した白樺林を歩く。芽吹きの季節の瑞々しさもよいが、落葉後の静けさにもまた、深い情趣がある。
日本的な「寂び」の美意識を感じさせる、しっとりとした景色であった。
高谷池と火打山|秋から冬へ
高谷池ヒュッテに着くと、目前には池塘と火打山が広がる。池の表面には薄氷が張り、山頂付近には新雪が見られた。
季節は晩秋から初冬へと移ろい始めている。
火打山山頂|日本海と雲海の絶景
火打山の山頂からは360度の大展望。
西方には日本海の水平線が見え、眼下には雄大な雲海が広がっていた。
これぞ、秋晴れの日に登る者へのご褒美である。
妙高山山頂|端正な越後富士と北アルプス
さらに縦走し、妙高山へ。
こちらの山頂からも360度の眺望が広がる。火打山、影火打、焼山といった頸城の山々が連なり、遠くには北アルプスの峰々が凛とした姿を見せていた。
予想外の難関|凍結した北斜面の洗礼
周回後半では、標高2,000mを越える北斜面に、溶けずに残る凍結箇所が多数出現。
トレランシューズではまったくグリップが効かず、滑る・滑る・滑る……。緊張感の連続であった。
次回からはチェーンアイゼン必携と肝に銘じたい。これもまた、秋から冬へ移ろう山の洗礼である。
総括|自然美と厳しさが共存する妙高連峰
火打山・妙高山は、四季を通じて表情を変える名峰である。
今回は紅葉のピークを過ぎていたが、その分、静けさの中に冴え渡るような空気と、雪をまとい始めた峰々の美しさが印象的だった。
天候に恵まれたことで、厳しいトレイルであっても充実感に満ちた山行となった。
2 コメント
神山さん いい山行でしたね。実は私も一昨日実家の妙高に行き、紅葉と露天風呂を堪能してきました。妙高山登山口より山へ徒歩10分【黄金の湯】【河原の湯】完全な露天で無料!秘湯です。次回は是非。
宮下さんも妙高とは偶然ですね。上信越は魅力的な山が沢山あって目移りします。トレランの夏合宿したくなりました。本気で。黄金の湯、河原の湯は、知りませんでした。情報ありがとうございます。ネットで調べてみましたが、雰囲気あっていい感じですね。次に行く機会があれば是非利用したいと思います。