福島県・檜枝岐村にそびえる標高2,133mの名峰「会津駒ヶ岳」。山頂から中門岳にかけては、美しい池塘や高山植物が点在し、まさに天上の楽園ともいえる光景が広がる。
今回は、滝沢登山口を起点に会津駒ヶ岳山頂、中門岳を経て、駒ノ小屋、大津岐峠、キリンテへと至る周回ルートを走破した。
■ コース概要
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出発地/帰着地:国道352号沿いのグラウンド駐車場(檜枝岐)
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主な経由地:滝沢登山口 → 駒ノ小屋 → 会津駒ヶ岳 → 中門岳 → 大津岐峠 → キリンテ
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距離:約22.8km
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所要時間:約5時間40分(休憩含む)
■ タイムログ
駐車場 AM5:50
滝沢登山口 AM6:10(0:20)
駒の小屋 AM7:45(1:55)
会津駒ケ岳山頂 AM8:05(2:15)
中門岳 AM8:45(2:55)
駒の小屋 AM9:15(3:25)
大津岐峠 AM10:10(4:20)
キリンテ AM11:00(5:10)
駐車場 AM11:30(5:40)
会津駒ヶ岳|絵本のような山小屋と天上の景色
会津駒ヶ岳の魅力のひとつが、山頂直下に佇む「駒ノ小屋」である。三角屋根の可愛らしい山小屋は、まるでアルプスの少女ハイジの世界。ガイドブックで見たその姿に憧れ、いつか行ってみたいと思っていた場所であった。
実際に訪れてみると、小屋の周囲には手作りの動物の置物——月ノ輪熊やオコジョなど——が並び、訪れる者の心を和ませてくれる。センスが光る演出である。
山頂から中門岳へ|コバイケイソウと池塘の道
会津駒ヶ岳の山頂は樹林帯に覆われ、展望は限られるが、立派な山名標が設置されている。ここからさらに進むと、中門岳までの稜線にはコバイケイソウの群生や池塘が点在し、まるで空の上の楽園に足を踏み入れたような気分になる。
なお、コバイケイソウは見た目こそ美しいが、誤って食べると中毒や最悪の場合死に至ることもあるとのこと。自然の中にあるものは、見て楽しむにとどめるべきである。
中門岳の山頂付近には「中門大池」と呼ばれる静かな水面があり、心洗われる景色が広がっていた。
大津岐峠へ|細尾根と展望、そして燧ヶ岳
駒ノ小屋へ戻り、今度は富士見林道を経て大津岐峠方面へと向かう。やせた尾根道を行くと、正面には燧ヶ岳(ひうちがたけ)が姿を現す。残念ながらこの日は山頂に雲がかかっており全容は見えなかったが、どこか神秘的な佇まいを見せていた。
尾根沿いでは、オオシラビソ(別名:アオモリトドマツ)の球果(いわゆる松かさ)も観察でき、植生の豊かさを実感できる。
キリンテへの下り|極上のブナの森トレイル
大津岐峠からキリンテへと下るトレイルは、まさに「極上」という言葉がふさわしい。ブナ林に囲まれ、足元にはふかふかの落ち葉が敷き詰められている。木の根や岩場が少なく、適度な傾斜と相まって思いきり走れる快適な区間である。
途中で出会うブナの巨木は、ただ立ち尽くすだけで心が癒される存在感がある。緑のシダとブナの幹が織りなす色彩の調和は、まさに自然が作り出した芸術である。
締めはロードラン
キリンテに下った後は、国道352号沿いのグラウンド駐車場まで約2kmほどのロードを走って本日のトレーニングを締めくくった。
天気にも恵まれ、池塘や稜線、ブナ林と変化に富んだ22.8kmの周回コースは、心地よい疲労と満足感を残してくれた。