2012年10月7日〜8日。
ついにこの日が来た。待ちに待った「ハセツネ」。
正式名称は「第20回日本山岳耐久レース(24時間以内)長谷川恒男CUP」。
通称「ハセツネ」は、東京都・奥多摩山域を舞台にした71.5kmのトレイルランニングレース。
制限時間は24時間。エイドは途中の1カ所のみ。夜間走もあり、厳しさで知られるレースだ。
そんなハセツネに、初めて挑戦した。
第1関門(22km地点):通過タイム 4時間43分
目標ペースより9分遅れ。
序盤、無理をせず抑えめのペースで入ったことで、渋滞に巻き込まれてしまった。
思うように走れず、我慢の展開。
この9分の遅れが、後々まで尾を引くことになる。
第2関門(42km地点):通過タイム 9時間3分
なんとか立て直して、ここでタイムは目標ペースに追いつく。
しかし、身体はすでにボロボロ。
メンタルの余裕は完全に失われていた。
残り約30km。ここからが本当の勝負だと覚悟を決めた。
第3関門(58km地点):通過タイム 12時間44分
タイムはイーブンを維持。
走っても走っても、貯金ができない。
焦る。焦る。
体力は限界に近づき、心も追い込まれていく。
それでも一歩ずつ、前へ進むしかなかった。
ゴール:14時間45分53秒
目標の「15時間以内完走」に、わずかに届いた。
差はわずか9分7秒。
途中、何度も諦めかけた。
とくに第3関門からの最終区間は、気力だけで走ったと言ってもいい。
それでも、自分との孤独な戦いの末、目標を達成することができた。
ハセツネというレース
私にとって、ハセツネは人生の縮図のようなレースだった。
決して大袈裟ではなく、そう感じている。
心と身体を鍛え、自らの限界に挑む。
それが人生の目的であり、価値であるならば、
ハセツネにはそのすべてが詰まっている。
苦しさの中に、「自分は今、生きている」と実感できる瞬間がある。
それこそが、ハセツネ最大の魅力なのかもしれない。