今年は異常なほどクマの出没や人への危害が報じられている。ニュースで報じられる数と、実際の事象の数は必ずしも一致しないので統計的に合ってるかの確認は必要だが、死亡事故も含め明らかに多いことは間違いない。中にはわざわざ意図的に人を襲ったと見られる事案もあり、クマは臆病だから人を避けるというのも、都市伝説のように思える。
熊鈴については効果は元々疑問視されてはいたが、今年のような状況ではほぼ役に立たないと言えるのではないか。クマが走って襲ってくる映像を見ていると、出会ったら後ずさりするとか背中を見せないとか、悠長なことを言ってられる状況でないことは明らかである。また、死んだふりが良いとは思わないが、顔面への攻撃が多いということで、むしろ立っているよりはマシなのではないかとすら思う。
個人的には過去に2回ほどクマと遭遇したことがある。1回目は北海道の笹薮の登山道で、反対から歩いてきた子グマと。2回目は丹沢で弘法山から鶴巻温泉に下る谷筋で。前者の時は母クマと出くわさなくて本当によかった。激しい勢いのクマの襲撃は大抵が子グマが関係している。後者の時は、谷の反対側の斜面を轟音をたてて走り去る音が怖かった。
そして先日、乗鞍岳に行った際に、出会わなかったのだが、直前にクマが出たばかりのところに行くということをしてしまった。乗鞍岳のバスターミナルで時間があったのでもう一山行くかと登った魔王岳、そしてさらに時間つぶしで歩いたお花畑、いずれもクマ目撃があったばかりだった。バスターミナルのホワイトボードには目撃情報が書いてあり、多数の目撃であることはわかったものの、しっかりと見ていなかったので直前にクマが出たとは気づかなかった。
乗鞍岳といえば10年前にはクマがバスターミナルで大暴れして多数の重傷者が出た場所でもある。クマとニアミスしていことに後から分かって驚いた。いつ出会ってもおかしくないということは身に沁みて感じた。改めて、クマの目撃情報には注意するとともに、目撃多数の場所や朝夕の時間帯を避けるなど、注意していく必要を感じた。