最近、youtubeで山の遭難事故・事件関連の動画を見ており、色々な事例の紹介から改めて山の安全について考えさせられる。きっかけとなったのは、5月にトレラン練習会で遭難してしまい、そのまま行方不明の方がいるというニュースに触れてからだ。もちろん、営業目的の練習会での遭難について、主催者の安全管理義務は言うまでもない。が、誰の責任とかではなく、何かあって損をするのは自分自身なので、楽しむための山行きは家にちゃんと帰ること、それが一番重要である。遭難関連の動画投稿者の中でも、以下のものが紹介事例も多く、また事故の状況について精緻に再現されている。一部動画においては殊更に悲劇感を煽っていたりはするが。
生きて山から帰るには【山岳遭難解説】
https://www.youtube.com/@ikitekaeru
そもそもは、何度も救助のお世話になった経験がある立場からすると、説得力に欠けるところもあるかもしれないが、事故になる前の段階のヒヤリハットは、無数にある。そして、事故の気配がないはずのところでも油断や慢心が事故につながることもある。誰にでも事故は起こり得るということ、そしてそうなったときの備えをどうしておくかの準備が重要である。自分だけは事故に遭わないと思ってた、という意識があるケースが多いのだろうが。
金銭的な話であれば保険に入ることが1つの方策ではある。捜索費用だけを強調しているような商品もあるが、ケガによる後遺障害や、そもそもの死亡保険など、どういう商品を選ぶかは、リスクとコストを考えた上で選択すべきである。また、保険適用のケガであれば、医療費上限額の制度もある。こちらは一時期金額大幅引上げを巡って大炎上が起きたが、結局のところ据え置きであり、健康保険が非常に手厚い部分でもある。強制的な保険となると、入山料を義務化することで、当該山域における救助活動費用等に充てるという考えもある。富士山など、入山料を徴収しながらもそういう運用にはなっていない。
事故は不可抗力的なものもあるが、遭難については、時間に余裕を持って行動し、分岐の確認、地図を活用などでだいぶ防ぐことが出来る。また、体力しっかりつけておくことで余裕が生まれる。山に全然行けていない今だから、次に行くときは心しておきたい。